▼第2集の「TOKIKO
CRY」と同じように、告井、武川さんなど登紀子のレギュラーメンバーが全員がレコーディングに参加。さらに、ドラムスに「晴れ上がる空のように」の時の川村通生さん、そして、フラメンコに17年前パルコ劇場で共演したギタリスト東権正男さんに来ていただき、相棒の滝本正信さんと絶妙の演奏を、さらにタンゴには、ヴァイオリンのハリム・アテフさん、バンドネオンに小松亮太さんに参加していただきました。
▼私のオリジナルの作品『踊れ時を忘れて』『最後のダンスパーティー』は、ずっと古いアルバムに入っていますが、アレンジを一新し、「踊れ」はサルサ、「最後の」はボサノバ。ちょっと未来的な地球最後の日を描いていますが、創った10年前よりも、いまのほうが、この設定がリアルなものに思えて、悲惨な意味ではなく、うっとり夢見ているような感じに仕上げました。▽悲しみの集い
ちょっとシュールな美しい詩の世界。元の詩が持っている不思議なストーリーをふくらませて、20年前に訳詞したものですが、その記憶はもう消えて、今回はその世界に自由に飛べました。バックに、次女の藤本八恵のファルセットが入っています。
▽褐色のサンバ
褐色というのは、ブラジルのサンバが黒人の音楽とポルトガルの音楽の混血であることを意味しています。遠い時代の人々の苦しみや喜びの中から生まれたこの音楽が、いま、どれほど人々を楽しませ、踊られ、泣かせてもいるか、そのことを歌っています。今年のコンサートの冒頭はこの曲です。古い時代からの祈りが、今に生きていること、そこから未来がはじまること。それが今年のテーマですから。
▽哀しみのダンス
われらがミュージシャンによる男性コーラスに、藤本八恵を参加させました。彼女にとっても生まれて初めてのレコーディングでしたけれど、少し新鮮な風が吹き込んだ感じです。
▽フラメンコ・ゴスペル
ジプシーの迫害をテーマにした組曲からとりあげた3曲。ともかくフラメンコの楽しさを味わっていただければと思います。
▼今回の収穫は、「つむじ風」「ヴェネズエラ」と「リベルタンゴ」。この3曲がまったく新しいレパートリーになったことです。
▽ヴェネズエラ
ハリー・ベラフォンテが歌った有名な歌なので、なんとなく耳に入っているメロディーだと思います。告井さんは、このコーラスは「ほんとうにいいね、ひっとしたらベラフォンテよりいいよ」(^_^)とご機嫌でした。
▽つむじ風
ブラジルの北の方、バイアー地方のフォロというリズム。「メウ・フォロ・エ・メウ・カント」という題は、「私のフォロ、そして私の歌」という意味。ひところ流行ったランバダの雰囲気に似ています。たぶん少しインディオのリズムが含まれていて、その素朴なのりがいいんですね。
▽リベルタンゴ
アストール・ビアソラが作曲した演奏曲で、詩はまったくの創作です。バンドネオン奏者の小松さんはいまやひっぱりだこ。むずかしい曲を生き生きと若々しく演奏してくれています。 |