加藤登紀子UNEP親善大使、モンゴルへ

―実りあるモンゴルでの一週間―


 国連環境計画(UNEP)親善大使の加藤登紀子さんは、平成13年8月に
モンゴルを訪問しました。
 地平線まで広がる大草原と所々に存在する遊牧民のゲル(テント)と馬・
山羊・羊の家畜の群、中央部から北方に広がる山岳と森林地帯、最北に
あるフブスグル湖とセレンガ川及び大湿原、大草原に現れる大きな幾何学
模様(小麦畑)等、モンゴルには日本では見ることの出来ないスケールの
大きな自然が広がっています。
 しかし一方では、90年代初頭以降の市場経済化に伴う農業開発(耕耘)
による土壌の乾燥と平均気温の上昇が、モンゴルの生態系を支える永久
凍土層(地下1・5m〜3m)を消滅させています。年間降雨量400mm以下
のモンゴルに森林・草原が存在する理由は、永久凍土により降雨が地下に
浸透せず植物に水分供給されるためです。寒冷で乾燥した土地では、農業
営まずに遊牧を行うことが、モンゴルの自然環境に合致した生計のたて方
なのです。また、こうした生活は、ゲルを覗いてみると想像以上に豊かな生活であることがわかります。

          ▲ボクド山にて植林する加藤登紀子UNEP親善大使

加藤さんは、日本のNGOが実施している植林プロジェクトと地元のコミュニティーが実施している植林・野菜栽培・遊牧プロジェクトを訪問して関係者を激励しました。また多くの人々に歌の交流を通じて環境保全の重要性をアピールしました。モンゴルの人々は歌や楽器の演奏が好きなだけでなく得意であり、訪問したすべての村でレベルの高い伝統音楽による歓迎がありました。容姿だけでなく遠慮する気質など日本人そっくりの人々との交流は、初対面というよりも懐かしい面々との再会といった風で楽しい時間を過ごすことが出来ました。


         ▲モンゴルの伝統的住居ゲルの中で音楽の交流

 ゴビ砂漠で思いがけない降雨に会い(慈雨)、我々の宿泊したゲルに避難してきた雨嫌いなカエルたち、雨上がりに一瞬現れた砂漠での虹、なぜか内陸にいるカモメたち等、その一瞬が記憶にとどまる場面にも多く出会いました。
 生活向上を求め、経済発展のために自然を破壊したが、結局経済は発展することなく、自然が破壊されるだけに終わってしまった、という事態がモンゴルで起きず、素晴らしい自然が将来存続することを祈念せずにはいられない訪問でした。