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ドキュメントTokiko

2020
02.
14
ほろ酔いコンサート IN ヒューリックホール<Vol.2>
◆第二部 ~愛の四楽章~

♪Love love love

後半は、はたけやま裕さんの、スティックの音から始まる。
バラのような、蓮の花のような、美しい世界観の中に佇むトキコさんが美しい。

「私にもいろいろ、女としての思い出があります!(会場からは歓声)
4曲ほどつづりますので、じっくりとお聞きください!」

♪愛のくらし
♪檸檬Lemon
♪あなたの行く朝
♪されどわが心

~届かぬものよ されどわが心 尽きせぬものよ されどわが人生~
(『されどわが心』作詞作曲:加藤登紀子)

『されどわが心』は、94年のほろ酔いコンサートで歌った歌。トキコさん自身、好きな歌なのでこれから定番にしていこう、と思ったそうだが、その翌年に阪神大震災が起こり、歌詞が聴き手の心に突き刺さってしまう気がして、しばらく歌うのをやめていた歌だそうだ。

「『あなたの行く朝』は私の夫がとても好きな歌でしたが、聞くたびに「俺はここにいてはいけないんだな、お前はどっかに行かせたいのか」と言ってましたね(笑)いつもどっかに行ってしまう人で、今はもう本当に遠くにいってしまいましたが、亡くなって17年経ちました」

人のありかたは、色々あるのだとトキコさんは言う。懐かしい人々が大勢、空の向こうに行ってしまっても、そう遠く感じられず、近しいものとして感じられるという。

ここ3年程、相次いで家族を見送ってきた私にとって、トキコさんのこの感覚はなんとなくわかる気がする。亡くなった人たちはみんな一体、どこへ行ってしまったのだろう。でも関係が終わったわけでなく、触れることができないだけで、新しい形で近くにいてくれる気がする。みんなを、ずっとそばに感じながら、これからも生きていく。

「夫が他界した後に、本気で歌いだした歌があります。『愛の讃歌』。エディット・ピアフが恋人を亡くした後で、本気で歌った歌でしたが、ピアフにも、そういう気持ちがあったのかもしれないですね。さあ、大詰めです。『愛の讃歌』」

♪愛の讃歌
♪歌いつづけて

バンドメンバー紹介のあと、「ありがとう!」と笑顔で出ていくトキコさんを心で追うように、会場からの熱いアンコールの拍手がまとまっていく。
そしてほどなく、笑顔のトキコチームが戻ってくる!

『百万本のバラ』のイントロが始まり、手拍子が会場全体に広がっていく。

ヒダキトモコ

写真家。日本写真家協会(JPS)、日本舞台写真家協会(JSPS) 会員

東京都出身、米国ボストンで幼少期を過ごす。専門はポートレートとステージフォト。音楽を中心とした各種雑誌、各種ステージ、CDジャケット、アーティスト写真等に加え、企業の撮影も多数担当。趣味は語学とトレッキング。

​Instagram : tomokohidaki / Twitter ID : hidachan_foto