Tokiko Now
11.
雪がほんの少し積もった旭川空港から帰京。NHKのリハーサルに飛んで行きました。なんだかジェットコースターみたいなスケジュールですが、明日は生放送なので、めっぽう早くからのお仕事になります。!
なんとピアニスト五条院凌さんとの共演で歌うことになっています。本当になかなか素晴らしいテクニシャンで、歌っていて気持ちが良く、これからどんな風になっていくのか楽しみに見守っています。是非お見逃しなく!
さて、北海道のコンサートは4日に厚真町、6日に朝日町でした。朝日町の「あさひサンライズホール」は3回目で、本当に思い出深い大好きなホールなので、グッと気持ちが入ったコンサートになりました。客席を埋めた世代層の広さが印象深く、家族三世代が一緒に聞いてくださっていたり、若いカップルが聞いてくれていたり、この町の文化活動の風通しの良さが伝わってくるようでした。最後に「百万本のバラ」のコーラスで参加してくださって「コール朝日」の人たちも知的な人たちばかりでとっても素敵でした。本当にありがとうございました。
旭川からの道中の景色も本当に美しくて、紅葉はもう終わっていましたがところどころに黄色や赤の彩りが残っていて、そこに冬木立ちと瑞々しい麦畑の緑と、刈り取った田んぼが広大に広がっていました。旭川を出る時、雷と吹雪だったのに、すっかり青空も見えて、そのダイナミックな空の変化に、北海道の魅力を感じましたし、この風景の中で生きてる人たちのカッコよさが心に残りました。
その前日の厚真町は、震度7の大地震が2017年9月6日にありました。札幌のコンサートの後に駆けつけたのが9月9日。地滑りで小高い丘に行く筋も亀裂が走っている風景が胸に焼き付いています。私のファンで登紀子倶楽部のメンバーのひとりが、被災して家が傾いてしまったことを知らせてくれて、何とか支援したいと願ってのことでした。
今回は建て直しができた彼女の家も訪ねることができましたし、会場に来てくれた人たちの明るい熱気の中に、とってもポジティブなエネルギーを感じ、本当に嬉しかったです。
一曲目から胸がいっぱい!って感じで、「コンサートは始まったばかりなんだからね!」って言わなくちゃいけないほどでした。
ここでも「百万本のバラ」に手話のグループと日本舞踊の娘さんたちが加わって下さり、珍しいセッションになりました。
実はこのコンサートの前の11月1日には能登に行っていたのです。この日は能登半島地震から10ヶ月の月命日だったので、夕方キャンドル・ジュンさんのプロジェクトに参加して歌いました。これまでも震災後の福島の楢葉町でのコンサートに呼んでいただいたり、フジロックでも彼のキャンドルの中で歌っていますが、この日は、小雨も降っていましたが、深い祈りの込められたキャンドルの中で、じっくり歌わせていただきました。
震災の後に大水で大きな被害に遭った山間部でも交流会を開きましたが、励ましに行った私が逆にその熱気に煽られちゃうくらい、みんな明るくてパワーフルで驚きました。
もうひとつ驚いたのは1990年に能登町の内浦海岸で開いたコンサートの主催グループが、昔のポスターを持って駆けつけてくれて、1人はその時のTシャツを颯爽と着ていて、もう何だか嬉しくてみんなで抱き合いました。
この日の熱気を大事に、これからの寒い冬をしっかり乗り越えてください。震災の影響もまだまだ続いている中での、みなさんのこの熱気に、必死の思いが重なっていることを忘れません。
明日の朝の歌にも想いを込めます!みんな聞いててネ!