New information 最新情報

ドキュメントTokiko

2018
01.
29
ほろ酔いコンサート東京 ツアーファイナル 2017年12月27日 Tokiko’s Birthday ー②ー

♪My Song My Love
♪難破船
♪雨のシャンソン

二部の一曲目はMy Song My Love.
壮大なスケールで広がる世界観が暖かく包む。 優しいメロディにのせて、問いかけをしている。愛が見えなくなった時・・・。

~あなたならどうしますか 泣きますか 逃げて行きますか 愛をすてて闇の中へ
My Song, My Love, 大きな愛で歌うように愛したい~
※「My Song My Love」 作詞作曲:加藤登紀子

名曲である。代表曲である「知床旅情」、「百万本のバラ」や「愛の讃歌」はもちろんだが、こうしたスケールの大きな名曲が本当に沢山ある。トキコさんの楽曲にはいつも、たとえ別れの歌であっても、明るい希望の匂いがする。「難破船」も壮大な哀しみを歌っているのに、なぜか希望の香りがする。「雨のシャンソン」でも、歌の中の主人公は、雨降る街で、今夜も前を向いて歩いている気がする。レンズを通してこの希望を、写し取れないものか。


「先日リリースした5枚組アルバムの4枚目が93年のライブ音源なのですが、これはアジアをテーマとして作った「モンスーン」からの新曲がほとんど。このアルバムは告井さんがプロデュース。本人も一番好きだという、渾身のアルバムでしたね!」
告井さん「好きですね。今でも聴きますよ~」
トキコさん「このアルバムは名人芸です。何かこの時、いいことでもあったのかな(笑)」
告井さん「何もないです(笑)」

カンボジアの戦争が終わったばかりの92年、インフレで荒涼とした状況下で、カンボジアの人たちは自然の中で爽やかにすっくと佇んでいる。その感じが、トキコさんは忘れられなかったという。そんなアルバム「モンスーン」から2曲。

♪約束
♪イラヨイ月夜浜
♪Revolution

「Revolution。これを作った89年から時が経ちましたが、この歌を歌わなくてもいい時代が来るといいなあと思いながら、まだまだですね」

二部の最後は、トキコさんのライフワークであるピアフの一曲と、美空ひばりさんの復活コンサート(1998年の不死鳥コンサート)のために書き下ろされた一曲。

♪愛の讃歌
♪終わりなき旅

「どうもありがとう!」片手をあげて退場するトキコさんを見送りながら、客席は拍手が鳴りやまない。このままアンコールか、と思った瞬間、最前列に看板を持ったスタッフのイチローさんが登場。いつの間に作ったのだろう、看板には「トッキー」と書いてある。イチローさんの呼びかけに客席は一体となって、トッキーコールが沸き上がる。

「トッキー、トッキー、トッキー!」最後は全員で「1,2,3、トッキー!」で締め。言い終わったあとで客席の皆さんは、なんともいえないほのぼのとした笑いに包まれていた。
  
  

◆アンコール!トッキーと呼んでね!

♪Running On
♪Never Give Up Tomorrow
♪百万本のバラ

「百万本のバラ」のサビを全員で。伴奏も一瞬消えて、声だけがホールに鳴り響いた。
「もう一声!」と叫ぶトキコさんに向かって、みんなが伸び伸びと空に向かって歌っている。そして歌が終わると乾杯。やはり一気に呑みほしたトキコさんに、客席は大きな拍手。

そこで突然、「Happy birthday」のイントロが始まり、告井さんの歌声がホール全体を引っ張って、みんなでトキコさんに歌のプレゼント。
Happy birthday, dear Tokiko —- Happy birthday to you!!
最後はトキコさんも一緒にコーラス参加し、客席からは「トッキー!」の声が飛んだ。
そのまま一気に、疾走感のあるラストソング、Begin Againへ。

♪Begin Again

間奏の間に、トキコさんが全力で叫んだ。

「ありがとう!明日地球が終わるとしても、私は樹を植えます。明日地球が終わるとしても、私は男を愛します!明日地球が終わるとしても、私は歌います。だから地球は終わらない。ありがとう!」

よみうりホールの熱気は最高潮に達したとき、トキコさんがもう一声叫んだ。

「トッキーと呼んでね!(笑)」

客席からすかさず「トッキー!!」と声がかかった瞬間、今度は急に落ち着いた低い声になり、「まあ、ほろ酔いコンサートは明日も明後日もありますから(笑)。よかったらまた、来てください」と締める。お客さんはこのギャップにまた大笑いをしている。なんというか、トキコさんに振り回されるのが楽しくて仕方がないといった空気の中、みんなが愉快そうにトキコさんの言葉を待っている。

「来年は日本で、ロシア年なのよ!私の原点に戻ってロシアの歌も歌おうと思っています。来てください、地球が終わっても(笑)なんてね、大丈夫よ(笑)今日はみなさん、ありがとうございました!」 「元気出して行こうね!まだ当分死なないでね!また来年!明日でも明後日でもいいけど。また会いましょう。Happy New Year! 素晴らしい年にしましょう!」

この一瞬、目が合ってトキコさんが笑った気がした。そしてもう一度客席に手を振って、颯爽と袖へと消えて行った。
夢のような時間があっという間に過ぎ、時計を見ると、既に3時間以上が過ぎていた。
年の瀬の、ポジティブ・エネルギーの大交換会。そしてお客さんは皆、しっかりと受け取ってキャッチボールをして、沢山笑ってほろ酔って、心をピカピカにして家路についたろう。

2018年のトキコさんが楽しみです!
トキコさん、今年も素晴らしいほろ酔いコンサート、ありがとうございました!