Tokiko Now
07.
撮影 山本倫子
オーチャードホールコンサートから1週間が過ぎました。
いろんな意味で、失敗があってはならない、の意識で、今も祈るような気持ちで過ごしています。
3日の朝日新聞夕刊に、大竹しのぶさんが私のコンサートのことを書いてくださいました。
書き出しから、いろんな思いで胸がいっぱいになって、涙が止まりませんでした。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14536318.html
今年の2月、渡辺えりさんと金沢で浅川マキのメモリアルコンサートに出演した翌日、えりさんのライブを観に行った時、大竹さんもいらしてて、その時、大竹さんの4月の「桜の園」の公演のチケットを私はもう入手して楽しみにしていましたし、大竹さんは「オーチャードコンサートに行きます」と言って下さってました。
その後、3月末に、オリンピックの中止が決まり、大竹さんの公演も中止となり、緊急事態宣言を受けて全てが止まってしまったのでした。その時は、オーチャード公演も無理だろうと、一度は断念していました。
5月26日、緊急事態宣言が解除され、東京ロードマップが示されて、6月19日後は、50パーセント、1000人までのコンサートができる、と知った時、テレビを見ながら、立ち上がっちゃったのを今も思い出します。
目の前に可能性があるのに、開催しない、っておかしいよね。そう思った私は翌日、開催に向けて動き出しました。
事務所も2ヶ月間はお休みにしていましたし、チケットも売っていない状況で、たった1ヶ月後の開催を準備するのは大変なことでしたが、2週間で1000席のチケットほぼ完売に漕ぎ着け、ホールとの厳重なミーティング、感染予防の徹底した対策を重ねての本番でした。
それでも、本番前から、本番後も、完全自粛の覚悟で、こんなに思いを集中させて迎えたコンサートは無かった、と思うほどです。
大竹さんが、文中に書いてらした、
「何が正しくて、何が正義か分からない今の状況で、判断していくのは自分自身である」の言葉に、慟哭してしまった私です。
これからも、音楽や演劇、芸能を取り巻く環境は真っ暗で、道は何も見えていない、と言いてもいいくらいです。その中で、大竹さんや、渡辺えりさん、小泉今日子さんたちが、何とかしようと取り組む姿に、感動しています。
https://engekikinkyushien.info/
決して甘く見ているわけではありませんが、命は営みとともにあって、初めて生きているんです。リスクを背負ってでも、そのためにできることをして行きたい!ただその思いです。
さて7月10日にはテイクアウトライブでコンサート本番の映像配信が開始されます。楽しみにしていてください。期間は限定で、8月10日までです。
そして7月13日の月曜日から、20 日、27日までの3回連続でNHKBSプレミアムで、午前9時から「プレミアムカフェ」にゲスト出演します。https://www4.nhk.or.jp/pcafe/
一回目は、戦争の中で亡くなった天才詩人、竹内浩三のドキュメンタリー。2回目はモダンバレーの元祖と言われる天才舞踊家、伊藤道郎の圧巻の物語。3回目は映画監督新藤兼人が、姉の日系アメリカ人を追う記録です。
出演させてもらって、本当に感激の出逢いになりました。是非見てください。
先週の土曜日、熊本で大雨だった日でしたが、東京はどうにか曇り空。滴るような緑の中で、あきる野市あじさい山の50周年をお祝いするイベントがあり、キャンプ場の野外ライブで、娘のYaeと一緒に、歌いました。
40歳から50年、山に紫陽花を育て続けてきた南澤忠一さんは、今もしっかりした足取りで山を歩く90歳。継続の力は本当に偉大です。
途方に暮れるような、こんな日々の中、ゆっくりあじさい山で過ごせて嬉しかったです。開催された方に心から感謝します。
コンサートは8月10日の東京コットンクラブまでありませんが、
皆様、くれぐれもお体を大事にして下さい。