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Tokiko Now

2022
04.
06
4月11日土の日ライブ、ゲストは石川さゆりさんです!

桜が満開から葉桜へ、劇的なこの季節。すごい3日間のコンサートが続きました。

43日は京都のレストラン・キエフでのコンサート。厳しい戦争の被害国となったウクライナへの思いの詰まった忘れ難いコンサートになりました。

一曲目は「そこには風が吹いていた」で静かに始まり、キエフならではの意味で、私の生まれ故郷のハルビンを歌った「遠い祖国」を歌いました。


父が1972年にレストラン・キエフを開いたのは、京都がキエフと1971年に姉妹都市になったからでした。

「ロシア人にとってキエフは京都や」と父が言っていたように、ロシアの歴史は、キエフ公国の誕生にそのルーツがあり、その後の帝政ロシア時代、革命後のソ連時代、ソ連解体後の時代へと変転してきました。

 

私の生まれた中国東北部のハルビンは、帝政ロシアの建設した町で、その時に西から強制移住させられたウクライナ人も多く、その後は革命で逃げてきた貴族やコサック、スターリンの迫害を受けた芸術家など、無国籍の亡命者の街でした。

 

戦後、そのロシア人たちが日本にたくさん移住してきた頃、父は彼らの仕事場としてレストランを始めたのです。最初のコックさんはコサックの娘という陽気なおばちゃんでした。

お店にはいっぱいロシア人関係の人が集まって、いっつも大合唱になり、ダンスになり、ここが彼らの居場所になったのです。

 

その亡命ロシア人が歌い継いできた「悲しき天使」、ピートシーガーがコサックの子守唄を元に作った「花はどこへ行った」、そして解体したソ連の共和国を繋ぐ、決定的な歌になった「百万本のバラ」、、、

私の心を捉えて離さないのは「放浪の民の音楽」なのだ、とこの日ほど思えたことはありません。

 

 「キエフ」ではこの後に、同じように音楽を求めていくつもの音楽を辿ってモダンタンゴの世界にたどり着いたアストール・ピアソラの歌を2曲。「リベルタンゴ」「忘却」を歌い、その後に「無垢の砂」。これは「映像の世紀」のテーマに合わせた私の詩の朗読で、今の時代への深い思いを込めました。

 

翌日は桜満開の伊勢の五十鈴川のほとりの「おかげ横丁」で、桜にライトアップをしたステージで少しゆったりとした「花物語」のライブを楽しみました。


「花」「琵琶湖周航の歌」「愛のくらし」と歌ったら、もう前の席の人が号泣しちゃって、私も泣きそうで大変でした。今年が、1972年の結婚から50年の年、夫の没後20年なので、振り返る思いもひとしお、弾き語りでは「檸檬」を歌いました。

 

本当に昼も夜も、夢のような桜満開の別世界。

後半は「さくらんぼの実る頃」「花はどこへ行った」「百万本のバラ」など、これも花いっぱいの濃い世界でした。


5日は東京上野のライブスポット「Qui」で、なんと「ひばりを歌う」コンサート。もちろん後半には登紀子レパートリーも。

全く違うアプローチを、3日間、クリアーしてくれたのは鬼武みゆきさん。本当にお疲れ様でした。


2022年の厳しい思いをどう歌で伝えていけるか、歌う場で切実に感じながらの日々。そんな中、作詞作曲して石川さゆりさんに贈った新曲「残雪」が、テレビやYouTubeで大好評のようです。今月の411日の「登紀子土の日ライブ」のゲストにお招きしています。「新曲『残雪』を語ろう」楽しみにしていて下さい。