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Tokiko Now

2023
01.
13
「一九四六」の絵の展示、15日まで。


 王子駅前の「北とぴあ」の地下のギャラリーで、王希奇さんの巨大な絵、「一九四六」が、今見られます。




 去年神戸で展示公開されたこの絵は、今年、多くの要望に応えて東京での公開が実現しました。戦後満州から日本に引き揚げた人々の赤裸々な群像を、幅20メートル、高さ3メートルの大画面に描いた油絵です。



公開前日の11日、会場でオープニングセレモニーがあり、私も出席しました。会場には実行委員長の石子順さんなど日中関係の人たちが集まり、呼びかけ人の1人になってくださっている漫画家のちばてつやさんもきてくださいました。

 

 戦後、大陸に放り出されて難民となっていた日本人は数百万人。そのうちの百万人余りが、葫蘆島という港から船に乗り日本に帰りました。

 私もその中の1人、28ヶ月のまだまだ赤ん坊だった子供でした。ちばさんも同じ引揚者で、当時6歳だったそうです。

 

 去年私はこの絵の写真を見せていただき、ありありと自分自身がそこにいる姿に向き合い、大きなショックを受けて、何か歌を、と考え始めたのでした。そうしているうちに224日、ロシアのウクライナ侵攻が始まり、同じように子供の手を引いて国境を超えていく人たちのニュースを見たのでした。

 いてもたってもいられず、被災者への支援アルバムの制作を決めたのは4月、「果てなき大地の上に」という曲を仕上げ、そのタイトルで支援CDを出しました。

 

 このオープニングセレモニーには、作者の王希奇さんも来られる予定でしたが、コロナ関係の状況のせいか、ビザがおりず、来日出来ませんでした。本当に残念です。

 リモートで送られたメッセージの中で、王さんは私の「果てなき大地の上に」の詩を読み上げて下さっていて、ああ、曲を聴いて下さっているのだ、とわかり、嬉しかったです。

 

 去年は年末には書き下ろしの新著「百万本のバラ物語」を出版、去年からの思いを嵐のような勢いで書きました。

 目の前でロシアとウクライナというひとつの卵が、割れてグシャグシャになったような混乱をしっかり見つめ、その歴史を辿り、なんとか理解したいと願って書いたのです。

 

 「百万本のバラ」と出逢ったことは私の運命でした。ただ歌うだけではなく、この歌の背負った歴史的な宿命を、私自身も背負うことになったのですから。

 この本は、今の状況を出来るだけ正確に理解するためにも、ぜひ読んでほしいです。

 129日に日曜日に、新宿の紀伊國屋書店でサイン会もします。是非是非足を運んでください。みなさんに会えるのが、嬉しいです。

 

 今日は、また去年の「ほろ酔いコンサート」で皆さんからいただいた募金を、ペシャワール会、JVCJCF、の皆さんにお渡しする会を持ち、今、世界で起きていることをたくさん話しました。ウクライナだけではない、いろんなところで、大変なことが起きています。すごい2023年になってしまいました。

 JCF、日本チェルノブイリ連帯基金では、応援しているウクライナからブルガリアへ避難している子供たちの絵を15日に公開するそうです。そちらもぜひ。


 1週間前の17日には、ベトナム戦争の最中に、戦火のべトナムから反戦の歌を発信した歌姫、カーン・リーのコンサートがあり、私はゲストとして歌いました。

 「坊や大きくならないで」と「美しい昔」は、亡くなったチンコンソンの曲。本当にいつ歌っても、胸に沁みますが、今歌うと、またなんとも言えないです。

 ベトナム戦争を終わらせることができたのは、世界中で起こった反戦運動の力もあったと思っています。ウクライナの戦争も、なんとか終わらせなければいけないと思います。私たちに出来ることは、何か?

 それが今年の課題だ、と痛感しています。


 なんだか、年の初めから、濃い日々が続きます。

 コンサートは211日の山梨がスタートです。

 あ、それから111日の土の日ライブ、小林幸子さんをゲストにお招きして、超楽しいものになりました。たくさんメールいただきました。ずっと見られますので、ぜひ見てください。来月の土の日もお楽しみに!