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Tokiko Now

2023
02.
15
今週末、紋別へ行きます!

先週は、山梨県富士川町で今年初の本格的なコンサート。ゲストに宮沢和史さんをお招きし、会場満杯のお客さんの強い熱気に迎えられて、本当に素晴らしいコンサートになりました。

 アンコールで一緒に歌った「島唄」はもちろん、コンサートの1部で久しぶりに歌った「この手に抱きしめたい」の宮沢さんのハモニカに胸が熱くなりました。

 コロナ感染に身構えながらの3年間。やっと出口が見えて来ましたね。いろんなことが動き出して嬉しいです。

 

 今週末の219()には、紋別で、第37回北方圏国際シンポジウムに講演で出演します。

「知床旅情」に出会ったことから、触れ合って来たことをこの際、まとめてみようと思っています。

 森繁久彌さんのこと、岩尾別の開拓民との出会い、アイヌの人たちとの出会い、さらにサハリンの旅で見たこと、、。

 アイヌの歌も久しぶりに歌います。

 もちろん自著の「百万本のバラ物語」のことや、ウクライナ支援CD「果てなき大地の上に」の歌も。

 

 たまたま最近のニュースで、オーストラリアで先住民のアボリジニの子供達を親から引き離し、西洋の価値観で学校教育を進めたことを謝罪する裁判のニュースがありました。

 日本でも、2019年にアイヌの人たちが日本の先住民であることを認めた「アイヌ新法」で、1899年の「旧土人保護法」でアイヌの生活基盤を根底から奪って来たことの誤りを認めた、という流れがあります。あまりにも遅すぎる気がして、驚きますが。

 私は1971年に初めて知床に行った時から、アイヌの人たちと交流があり、歌もいろいろ歌って来ました。これだけ同化政策や差別を受けながらも、アイヌの伝統が残されて来たことが、どれほど貴重なことか、改めて思っています。

 

 今私の手元には、アイヌ関係の本がいっぱい集まっていて、まさにアイヌづくしの日々。

 ちょっと紹介しておきます。

 まずは、私の友人、石村博子さんの「ピリカチカッポ(美しい鳥)ー知里幸恵と『アイヌ神謡集』」。知里幸恵さんの『アイヌ神謡集』が金田一京介さんの手で出版されたのが1923年。ちょうど100年前です。記憶にあった歌をノートに書き留め、19歳で亡くなった天才少女のありありとした人生が綴られています。

そしてもうすぐ90歳になられる宇梶静江さんが自ら綴られた「大地よ!ーアイヌの母神、宇梶静江自伝」。そしてその後に作られたDVD「大地よ!」に沿って書かれた「アイヌ力を!」という本も出ています。

1933年生まれの宇梶さんは、知里幸恵さんの没後の世代。それでも小さい時にお婆さんに育てられ、本格的なアイヌ生活を経験していた頃の、眩しいほどの美しい思い出が素晴らしいです。

 

 もう一冊は、小野有五さんの「『新しいアイヌ学』のすすめ」。小野さんは小野洋子さんの従兄弟にあたる人で、この間「百万本のバラ物語」の中にジョンとヨーコさんのことを書いたことで出版にお力添えをいただいています。

 長年の研究の集大成の大著を前にして、この時代にアイヌの生活哲学がいかに大切か、痛感しています。

私が「ここは地球のど真ん中」という歌を作っている北海道の東川町では、今アイヌの映画を製作中。どんな作品になっているか、すごく楽しみです。

 

 2023年はまだ始まったばかりですが、今年の旅がどんな巡り合いを運んでくるのか、なんだかドキドキするような毎日

 ウクライナの戦争から1年。戦争で犠牲になられた方に心からの追悼を、国を追われた方に精一杯の応援を贈りたいです。

 そして トルコ、シリア国境地帯で起こった地震による、あまりも多くの犠牲者、避難者の人たちにも、何の支援もできていない私ですが、心から見守っていきたいと思っています。

 

 今年も深い祈りの年になりました。

 しっかりと「心の緒」を締めていきましょう!