Tokiko Now
06.
東大安田講堂では、これまで何度か、イベントに呼ばれたことはありましたが、コンサートは初めて。それもオーケストラと一緒ということで、本当に楽しみにしています。このコンサートの収益は能登半島地震の復興活動に寄付します。
オーケストラは東大同窓生オーケストラ。リハーサルがあり、オーケストラとの初合わせをしました。いろんなキャリアの面々でとってもすごい存在感。
NHKで放送されている「映像の世紀」のテーマ曲に私の詩をつけた「無垢の砂」は、オーケストラと合わせるのは初めて。
今回は、初めから、この曲と「イマジン」を是非、と決めていたので、すごく楽しみです。

「イマジン」と言えば、この安田講堂は安田財閥が東大に贈ったもの。つまりオノ・ヨーコさんのお祖父さんということですから、すごい縁だなと思います。安田講堂を「イマジン講堂」に!を心に、国境のない世界を目指すコンサートにしたいです。
もちろん「百万本のバラ」もオーケストラで歌います。
前半はピアニスト鬼武みゆきさんの演奏で「時には昔の話を」「さくらんぼの実る頃」などを予定しています。
そのピアノは作曲家、ピアニストのラフマニノフさんにスタインウェイさんが直接贈ったピアノ。周り回って今回のオーケストラのコンサートマスター、長谷川泰さんが所有しておられ、このコンサートのために安田講堂に運び込まれることになりました。

先日、このピアノとも対面。鬼武さんも弾いてみて驚くほどいい音でした。このピアノのメンテナンスをしている高木さんによれば、スタインウェイのピアノはニューヨークで生まれたもので、ヨーロッパとは違った大きなホールコンサートに対応できるピアノとして造られたそうです。

私の弾いているギターも、ニューヨーク時代のマーチン。同じような歴史があることを知りました。
スタインウェイさんもマーチンさんも、ヨーロッパからニューヨークに移民として渡ってきた人。ニューヨークで獲得した技術、その素晴らしい宝をヨーロッパに贈った、ということになります。
ロシアからアメリカに亡命し、生涯をアメリカで送ることになったラフマニノフが、その深い悲しみと望郷の念を込めて弾いていたピアノ。大切に歌って、味わっていただけるように、したいと思っています。
7月14日は3連休の中日なので、地方からもきていただけるかなと思っています。素晴らしいホールで、特別の企画のコンサート、是非、いらして下さい。