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ドキュメントTokiko

2025
09.
02
ドキュメントTOKIKO - Restart 『加藤登紀子60周年記念コンサート』<第一部>②
「留置場と拘置所の違いって知ってるかしら?」というトークから始まる『ひとり寝の子守唄』は笑いをさらうMCと曲の雰囲気がずいぶんと違うので、初めて登紀子さんのコンサートに来た時からとても印象に残っている。

この曲は告井さんのギターが泣いているように聴こえる。鳴くと泣くだったら「泣く」が近い。
アコースティックギターを抱えた登紀子さんと告井さんのギターで、綴るように、したためるように歌われてゆく。私が経験し
かった60〜70年代の日本にタイムスリップしたような、そんな心地。

そして『檸檬Lemon』『死んだ男の残したものは』『童神』と続く。
『生きとし生きるもの』は劇団ひまわりの方々と共に歌われてゆく。
真っ白な衣装を纏った登紀子さんは遠目で見ても神々しく、劇団ひまわりのみなさんの歌声もあって萌芽という言葉が思い起こされる。

「見捨てられた世界の片隅 凍えた地の果て荒野でも あしたへ育ちゆくものよ どんな時も忘れないで」そんな歌詞が身体に沁みてゆく。
「風吹く時は風の中を 雨降る日には雨の中を」駆け出すような、天まで伸びていくようなそんなコーラスと共に第一部が終わった。

すでに大満足なコンサートではあることは確実だが、第二部に圧倒されたい私もいる。
立ちこめた熱気も開かれた客席扉から放たれ、第二部の始まりを待つ。

こいわいはな
1994年、宮城県生まれ。『水曜どうでしょう』のイベントや書籍撮影を皮切りに、映画、ドラマ、演劇、ライブ、CMなど様々な現場で活動中。
【スチール担当演劇】 EPOCH MAN『我ら宇宙の塵』など。
【スチール担当映画・ドラマ】荻上直子監替『波紋』、岸善幸監『正欲』『サンセット・サンライズ』NHKドラマ『水平線のうた』など

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