ドキュメントTokiko
02.

♪百万本のバラ
「みんなで!」のトキコさんの一声で、会場全体が壮大なハーモニーの響きとなる。
(百万本のバラの花を~)
名曲というのは、瞬時にその歌の世界に引き込んでくれる。自分ですら一瞬、広場を見渡す女優を下から見上げるピロスマニとなり、自分の周りに真っ赤なバラの海が広がっているような気がする。
「ありがとう!アンコール、何やろうかなーと思ったんだけど、久しぶりに・・・なんでしょうか!?」
と言ってから大爆笑し、
「・・・だい、だっ、そう!!!」
と叫ぶやいなや、弾けるように歌い始める。

♪大脱走
~超えてきたのさ あの山を おいらの町は もう見えない~
小さなカバンをぶら下げて、身軽な旅。そんな風に生きられたらいいなぁと思わせてくれる名曲。トキコさんらしくて、かっこいい。
「最後に、もう一回みんなの顔を近くにみながら歌いたい!『時には昔の話を』、歌ってみましょう!」

♪時には昔の話を
まずはステージ上で歌いだすトキコさん。
「♪時には・・・あ、(みんな)座っちゃうのか!!」
歌を止めて残念がるトキコさんに、会場中が大爆笑!
『大脱走』で立ち上がって弾けてくれたお客さんたちが、穏やかな『時には~』で、まさにいま腰を下ろそうとしていた瞬間で、トキコさんの言葉に慌てて腰を浮かせる人も見えた。
「いや、いいんだけどね!・・・せっかくこんなにみんな立ったのにね・・・。まあいっか!いいよ、座っていいよ!」
笑いながら客席は腰を下ろす。
改めて。

♪時に昔の話を
「この会場、初めてだけど、いい景色だね!!客席がかっこいいよ!!
本当にありがとう!!・・・じゃあ最後に、みなさんへの愛をこめて。『あなたに捧げる歌』!

♪あなたに捧げる歌
歌いだすと潮が引くように拍手が消え歌に聞き入り、あたたかな空気が広がる。
~今夜ここで 会えたうれしさ どうして伝えよう~
楽しい時間を惜しむようにトキコさんを囲む大勢の人々。
そのとき、急に明るいアカペラが響く。
~白い花なら 百合の花~ (『酒は大関』作詞作曲:小林亜聖)
よいしょ!と客席から掛け声が響く。


「ありがとう!!良いお正月迎えてください、本当にありがとう!」
割れんばかりの拍手の中、ニコニコと太陽のように輝くトキコさんが、撮っていて眩しい。
「元気でね。来年も生きていてください!(会場爆笑)
コンサートも是非きてください!どうもありがとう!」

いつか100歳を過ぎても、歌い続けてくださいね!!
今年も最高な「ほろ酔いコンサート」、ありがとうございました!

ヒダキトモコ
写真家。日本写真家協会(JPS)、日本舞台写真家協会(JSPS) 会員
東京都出身、米国ボストンで幼少期を過ごす。専門はポートレートとステージフォト。音楽を中心とした各種雑誌、各種ステージ、CDジャケット、アーティスト写真等に加え、企業の撮影も多数担当。趣味は語学とトレッキング。
Instagram : tomokohidaki / Twitter ID : hidachan_foto