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ドキュメントTokiko

2020
07.
16
コロナに負けない!オーチャードホール・コンサート2020年6月28日〜①〜
ドキュメント登紀子 「未来への詩(うた)with Yae」
コロナに負けない!オーチャードホール・コンサート2020年6月28日 〜①〜


【トキコさんとYaeさんの到着】

オーチャード・ホールの楽屋口でトキコさんとトキコさんの次女Yaeさんを待つ。
雨が降り始めた渋谷の街は、歩道も鈍く銀色に光る。トキコさん達が到着してその笑顔が見えると、まるで色のない世界にぱっと赤と青の花が咲いたように思えた。
楽屋入口で、アーティストもスタッフも全員、検温とアルコール消毒を徹底する。
絶対に感染しない、させないためにも大切な工程。
真摯に検温をするトキコさんとYaeさん。
「アルコール液が少し垂れるくらいつけて、揉み込むと良いのよ!」と笑顔のトキコさん。
コロナ渦においても、明るさと笑顔を忘れない二人に、見ている方も心がほっとする。

ほどなく始まったリハーサルでは、いつもより全員少し緊張感の走る面持ちに見えたが、音楽へのこだわりはいつもと変わらず大切に、本当に丁寧にリハーサルは進んでいく。
親子で歌う新曲。時折トキコさんのアドバイスもとぶ。タイプの違う二人の歌手、並ぶ姿は共に凛としていて素敵だ。
音が会場にどう響くか。照明や立ち位置などの具合はどうか。
トキコさんが客席に降りて、静かにステージを見つめている。
リハーサル終盤では、この笑顔。ステージ下で撮りながら、まだ本番ではないのに心が熱くなる。ステージを降りると小柄なトキコさんは、ステージ上ではとってもとっても、大きく見える。

【コロナ渦での大きな決断】

春先から世界的な大流行となっている新型コロナウィルスの影響で、音楽業界全体でコンサートの開催を中止・延期にせざるを得ない状況が続いている。そんな中、都が示した新しい基準をクリアしつつ、1000名規模のコンサートの開催を、誰よりも早く先陣を切ってトキコさんが決意した。暗い世の中を明るい力で引っ張っていこうとする、トキコさんらしい決断である。

誰もまだ、やったことがないということは、全てが手探りであるということ。スタッフは全員、いつも以上に緊張感のほとばしる熱い気持ちで、これ以上出来ない程の徹底した感染対策に奔走している。準備中のロビーも客席も、いつもと違うピリピリした空気が漂っている。ひとつの大きなトキコ・チーム全員がその思いをひとつにお客様を迎えようとしていた。
座席は一つずつ間をあけて。市松模様に、今日のプログラムを置いていく。

【いよいよ開場!】

入口ではアルコール消毒の後、間隔を空けて一人ずつ中へ。体温感知カメラのチェックを受けた後、会場へ足を踏み入れることが出来る。
フェイスシールドを付けたスタッフが並ぶ。コロナ渦で、初の1000人規模コンサートに参加するお客様に、多くのメディアが感想を求め取材をしていた。



市松模様に振り分けられた座席に座り、静かに開演を待つ人々。
普段より会場内のざわめきは小さい気がしたが、一人一人がじっと開演前のステージを見つめる姿はどことなく嬉しそうで、久々のコンサートに胸が高鳴っているように見えた。

<コロナに負けない!オーチャードホール・コンサート2020年6月28日〜②〜へ続く>

(写真と文:ヒダキトモコ)




ヒダキトモコ

写真家。日本写真家協会(JPS)、日本舞台写真家協会(JSPS) 会員

東京都出身、米国ボストンで幼少期を過ごす。専門はポートレートとステージフォト。音楽を中心とした各種雑誌、各種ステージ、CDジャケット、アーティスト写真等に加え、企業の撮影も多数担当。趣味は語学とトレッキング。

​Instagram : tomokohidaki / Twitter ID : hidachan_foto