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ドキュメントTokiko

2020
07.
16
コロナに負けない!オーチャードホール・コンサート2020年6月28日〜③〜
♪百万本のバラ

客席からは大きな拍手の渦。そのままアンコールの拍手へとまとまっていく瞬間・・・
「どうもありがとう!」
トキコさんが一声発すると、客席はその言葉を聞こうと拍手を止めた。

「今日は、朝までやるよ!とか、終わった後にみんなで飲むか!とか、絶対言っちゃだめだと厳しく言われています」

と笑顔を見せると客席は大爆笑。
ほろ酔いコンサートの頃には、そんなことを普段のように言えるような状況になっていてほしいが、やはりまだまだ、難しいだろうか。

「今日は最後に、大事な一曲を歌った後、静かにお別れしようと思います!」

トキコさんが最後に選んだ一曲は「蒼空」。この一曲は特に雄大で、命の根源を感じさせるような朗々とした歌詞とメロディも美しく、数あるトキコさんの楽曲の中でも、個人的に一番、何度も何度も聴いた一曲である。心の中で小さくガッツポーズをした。

「私たちは広い空、そして無限の大地、この広い広い宇宙の中に、小さな生き物として生きています。もうこれは本当に途方に暮れるほどすごいこと。みんなそれぞれ自分の命をかかえて悪戦苦闘もします。でもどこかで、この宇宙に抱きしめられている。みんなそれぞれ、この空の下で生きている、そんな思いで書きました」
♪蒼空

コロナ渦で思うこと。世界中の人たちが、同じ想いで今を生きている。
一つの疫病という大きな壁に立ち向かって、人類全体がつながっている。
そんな現状において、この『蒼空』が注ぎ込む温かなエネルギーを会場はどう受け止めただろうか。

「ちょっと照明、明るくしてくれる?もう一度客席の表情を見たいです!本当にみなさん、くれぐれも、コロナにならないでね!また元気にお会いできることを願って、みんなでハイタッチをしたいと思います。エア・ハイタッチね!」

そしてこの場面、写メで撮影してSNSに出してもOK、思い出に残してほしいとトキコさんが言うと、そんな特別なOKに、客席は一瞬驚いたように慌てて携帯で撮影をする人々でいっぱいになった。

「また元気に再会して、冬にはほろ酔いコンサートもやりますけれども、何が起こったとしても、その時その時を素晴らしく生きましょう。今日はありがとうございました。また、会おうね!!!せーのっ!!」

客席全体から、おーっというどよめき。そして拍手の渦。物理的な距離はあるものの、心は近くでつながった温かなエア・ハイタッチの景色は素晴らしかった。制約は多々あるものの、肌で感じたこの大きな一体感こそ、今日のコンサートそのものを表している気がした。
客席とステージで、壮大なエア・ハイタッチ!
「どうもありがとう!」
最後の最後、陰に隠れる一歩前まで、名残惜しそうに客席に笑いかけるトキコさんがいた。

カメラと三脚をかついで、急いで楽屋へと引き上げると、ステージを終えたばかりのトキコさんは元気いっぱいだった。すぐに、トキコさんのお姉様で会長の加藤幸子さんも客席から引き上げてきて「やっぱり生はいいわね!!とても良かった!!」と満面の笑顔がこぼれ、トキコさんもそれを聞いて本当にうれしそうだった。

 
トキコさん、勇気ある決断と、この状況下での本当に素晴らしいコンサート、ありがとうございました。そして大切な55周年、心よりおめでとうございます!!
これからもお客様含めた大きなトキコ・チームで、みんなで元気に、前進して、この困難を乗り切れますように。
※この日のコンサートの模様は、テイクアウトライブとして発売されています。
7月10日~8月10日の期間中にスマホやタブレット端末へダウンロード可能で、その後、ずっと視聴することが可能です。詳細は加藤登紀子オフィシャルサイトをご覧ください。
https://www.tokiko.com/shop/
ヒダキトモコ

写真家。日本写真家協会(JPS)、日本舞台写真家協会(JSPS) 会員

東京都出身、米国ボストンで幼少期を過ごす。専門はポートレートとステージフォト。音楽を中心とした各種雑誌、各種ステージ、CDジャケット、アーティスト写真等に加え、企業の撮影も多数担当。趣味は語学とトレッキング。

​Instagram : tomokohidaki / Twitter ID : hidachan_foto